「通変」って何ですか?-通変星占いから卒業しよう-

通変論

まだ詳しく触れていなかった「通変つうへん」のお話をしていきましょう。

ちまたの四柱推命では「通変星」というものが中心になって判断されています。

比肩ひけん劫財ごうざい食神しょくしん傷官しょうかん偏財へんざい、正財、偏官、正官、印綬いんじゅ、偏印という10個の星があって、それぞれがその人の性格や吉凶を示している何かの「占いの星」であるかのように語られています。

ちまたの四柱推命では通変星そのものに吉凶や性格を割り当てています

特に月柱地支(蔵干)に付く通変星のことを月支元命星げっしげんめいせいといって、その人の中心的な性格や運勢を示すものとして重要視するのが「ちまたの当たらない四柱推命」です。

残念ながらこういうのは当たらないし、これで運勢診断や開運はまともに論じられませんよ、というのは前回の記事で書きました。

ちまたの四柱推命では、月支元命星が運勢の70%だとか言われます。

では、本来の四柱推命(干支術)では「通変」は使わないのか?というとそうではありません。使うことは使うのですが、使い方が根本的に異なるのです

(何かの実体をもった「占いの星」であるかのような誤解を招くので「通変星」という呼び方はしません。単に「通変」と呼びます

そもそも「通変」ってどういうこと?

そもそも四柱推命において「通変」とは何なのでしょうか?

ある五行(A)から別の五行(B)を見た時に、自分が生じるのか、生じられるのか、自分が相手を剋すのか、剋されるのか、といった相互関係がありますよね。

この生じたり剋したりという相互関係から、どういう事象や作用が起こりやすいか?を一般法則にして分かりやすいネーミングを付けてまとめた呼び名のことを「通変」と言います。

例えば、木の五行から見ると・・・

木の五行は 自分と全く同じお仲間の五行です。

火の五行は 自分から生じる五行です。

土の五行は 自分が剋そうとする五行です。

金の五行は 自分が剋される側になる五行です。

水の五行は 自分を生じてくれる五行です。

自分と同じお仲間の五行のことを比劫ひごうといいます。

自分から生じる=漏れ出る五行のことを食傷しょくしょうといいます。

自分が剋そうとする五行のことを「財星」といいます。

自分を剋してくる五行のことを「官星」(官殺かんさつといいます。

自分を生じてくれる五行のことを「印星」といいます。

ということは、日干が「甲乙木の人」にとっては

木は「比劫」になり、火は「食傷」になり、土は「財」になり、金は「官殺」になり、水は「印星」になるわけです。

「通変」ごとの働きを覚えておくと、木にとって金がどのような作用をしやすいのか?木にとって水がどのような作用をしやすいのか?という事象の読み取りがしやすくなります。

これがもともとの通変の由来です。

「通変」の本質的な意味は?

「通変」のそもそもの意味はどこから来ているのか?というと、生じるとか剋すといった五行同士の相対的な関係から来ています。

「通変」の意味を理解する時は、生じる(漏らす)のか、生じられるのか、自分が相手を剋すのか?剋されるのか?といった関係を意識して「本質的な意味合い」を理解しましょう。そうでないと応用が利きません。

(1)「比劫」(自星)・・・同じ五行

比劫は自分と同じ五行のことです。木にとっての木、火にとっての火です。

同じ五行があると、同類で集まって一致団結して強め合う働きがあります。

同類ですから、身内や兄弟姉妹や親族、同朋、同期の友人なども意味します。

(2)「食傷」(漏星)・・・自分から生じる五行

食傷は自分から漏れ出して生じる五行です。

自分が無意識に発して外に出した言葉や行動、自分の内にある思いを表現すること、内にある才能や技術を発揮すること、他人を気に掛けて関わろうとする言動、などが「漏れ出る」ことの本質的な意味になります。

(3)「財星」・・・自分が尅したいと思う五行

財星は自分が剋そうとする五行のことです。

「剋して手に入れたい」と思わせる欲望を喚起します。欲心、夢、楽しみの意味があります。

財星だからと言って単純に「お金」を意味しているわけではありませんし、財星が付いているからといって、自動的にお金が儲かるわけでもありません。

(4)「官殺」・・・自分を剋してくる五行

官殺(官星)は、自分を剋してくる五行のことです。

尅される側は規制されたり自由を拘束されたりします。ここから規律心や自己抑制の意味が生じたり、自我を抑えて組織や会社に仕える、という意味が出てきます。

(5)「印星」・・・自分を生じる(援助する)五行

印星は、自分を外から援助して助けようとする五行です。

援助者、引き立ててくれる上司、母親の保護などを意味します。

また、自分に流れ込んで成長させるものということで「知識」「学習」の意味もあります。

これら「通変」にはもともと吉も凶もありません固定した吉凶は無いのです。劫財や傷官がもともと凶作用をして、正官や印綬がもともと吉作用の星であるかのように書いてある「ちまたの四柱推命」はこの時点ですでに大きな誤りを犯しているのです。

同じ「食傷」という五行であっても、ある命式においては(特定の条件では)良い作用をしているかもしれません。良い作用をすると、他人を気遣って親切に関わろうとする、自分の才能や技術をうまく発揮できる、といった吉作用となります。

しかし、ある命式においては(特定の条件下では)悪い作用をもっぱらしているかもしれません。

他の「比劫」「財」「官」「印」もこれと同じです。もともと吉凶が決まっているわけでありません

命式においてどのような条件下に置かれているのか?に応じて吉作用にも凶作用にも転じるのです。

ですから、「通変」の働きを学ぶ時には、同じ「通変」のプラス面とマイナス面を両方学ぶ必要があります。良い作用になった時にどうなるか?悪い作用に転じた場合にどうなるか?という視点で学ばないと、正しい通変の理解には至りません。

「ちまたの四柱推命」のように10個に分ける必要性もありません。劫財や傷官が凶作用どころが大吉星(用神)となることもあれば、正官や印綬が十分に凶作用をもたらします。

10個に分ける意味も無ければ、用語のイメージにつられてかえって誤占のモトになるので、2つ纏めて「比劫」「食傷」「財星」「官殺」「印星」と大きく5つに分けて理解すればよいのです。

(漢字が難しいので「比劫」=「自星」、「食傷」=「漏星」と言い換えている人もいますが、私はいちおう元の由来が分かるように、比劫=比肩+劫財、食傷=食神+傷官という意味で使っています)

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