乙木の性質-四柱推命の十干論

十干論(基礎)

日干「乙」の人は・・・乙木の基本的な性質

乙木は陰性の木行で、か弱いつる性の草花(朝顔やクレマチスなど)に相当します。

剛強な一本杉=陽干の甲木とはまったく性質が異なります。

甲木は立派な木材や目印に仰がれる大木に成長して、衆目の抜きん出た実力者になることが目標=役割でしたが、乙木の生き方や使命感はそうした次元にはありません。

乙木の役割は美しい花を咲かせて人を和ませること

(1)人を癒して喜ばせるサービス精神が長所です

十干の中で最も「ゆるキャラ路線」なのが乙木だと思って下さい。

甲木のように競争主義・実力主義を目指すよりも、人との和合や癒しに特化した星です。他人をお世話して細かいニーズによく気が付いて喜ばせる=サービス業全般に適性が高いです。甲木はそこまで相手の細かい機微やニーズには気が回りません。これが陽干と陰干の持ち味の違いです。

(2)神経が繊細で、手先が器用、細かい仕事に向く

陰干の乙木や辛金は、手先が器用な方が多く、細かなものを作り込む作業にも向きます。

乙木はその中でも日常生活に密着した衣食住の分野に縁が深い星です。

その反面、恐ろしく神経質で繊細です。繊細すぎるがために臆病で傷つきやすく身弱であればネガティブ思考ばかりを繰り返し、主体性や積極性や行動力が伴わない傾向があります。

(3)陰湿さ・粘着質

つる性の植物ですから、何にでも巻き付こうとします。自分だけで自立する強さが無いため、依存心が強く頼りできる相手を常に求めます。ツタが絡みついた柱や壁を見たことがあるでしょうが、あのような粘着性としつこさを発揮するのも、乙木の特質です。

身旺の悪い命式では、そのような尋常ではない粘着性や執着心を発揮している場合もあります。ストーカー気質になり、相手につるを巻き付けてネチネチ苦しめるような陰湿さや姑息さを見せることがあります。

そのような陰湿さ・姑息さは「陽干」の甲木等にはあまり見られません。陰干の命式が歪むと往々にして、陽干には見られないような「陰湿さ」を発揮することがあります。

甲木がそうだったように、乙木もまた春夏秋冬によってその姿と性質が全く異なります

乙木にとっての良い五行と悪い五行

(1)自身の根(寅卯)と生け垣(甲木)

風雪に耐えて自立するため甲木の生け垣を喜ぶ

(2)雨水(癸)と太陽光(丙)のバランス

植物である乙木は命式内に水星が無いと生きていけません。水星が応じる冬以外の季節は、命式のどこかに水星が存在しているか?をまず確認しましょう。(冬は水が悪神になるので要りません)

戊己土や火星が多くて水が枯れる命式や、庚辛金が多くて殺星の剋害を受ける命式にとって「癸水」は必須の用神となります。

癸水が枯れると生きていけません

土や金の悪神が多い命式は、神経が過敏すぎて消耗し、様々なことに気を揉み、精神が不安定になりやすくノイローゼや躁鬱的傾向を潜在的に持っています。命式に適量の水星があれば、精神的にも余裕があり、気持ちにゆとりが生まれます。

丙火があると花が咲いて喜ばれる

日当たりが悪いと草花はどうなるでしょうか?極端に花付きが悪くなり(花を咲かせられず)生育不良で草姿が大きく乱れます。

甲や乙の命式に適度な日照(丙火や午巳火)があるならば、明るく朗らかな人から好かれる性格になり、他人へのサービス精神や気配りが上手なので周囲から喜ばれます。綺麗な花が咲いて喜ばれるというのはこのような状態を意味しています。

しかし、水星も火星も大過(適量をオーバーして多すぎること)すれば悪神に変わります。水星が多すぎれば、陰鬱になり根が抜けてしまって浮草になりますし、火が旺じすぎれば、感情亢進してヒステリックになり、焦りの気持ちばかり強く、水が完全に枯れてしまうため精神的に苦しみます。甲乙木は何よりも水と火のバランスの良し悪しが現実的な事象の上下に連動します。

(3)土と金を忌みます

甲木のところでも書きましたが、木行にとって基本的に金や土は命式に無い方がいい五行です。そして、この傾向は乙木にさらに顕著に表れます。

乙木は陰干で弱いために、土を剋す力が足りず、己土ですらも埋もれてしまいやすく小型ナイフのような刃物(辛金)でさえも脅威になります。

ただ、刃物で刈られても、水星の潤いさえあればすぐに再生して「雑草さながらに」生えてきます。この立ち直りの速さと「しぶとさ」は甲木以上のものがあります。乙木は十干の中でも最弱と言われますが、しぶとさや粘着力の点では随一かもしれません。水星さえあれば庚辛金に多少の剋を受けても生きていけます。

本当に厄介なのは戊己土です。この生命線の水を塞いで枯らしてしまう作用をします。戊土が多ければ癸水が巡って来ても、戊癸で干合してしまってうまく役に立たなくなるため困ります。

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