天干がどのぐらいの強さ・力量を持っているのか?を測るには、根となる地支があるかどうかを見て判断します。
天干と同じ五行の地支があると、天から地へ錨(イカリ)を降ろしてしっかりと係留されるような、あるいは、樹木が根を張って土台が安定するかのような作用があります。
根となる地支が何個あるかを見れば、天干の強さと力量が明確に分かるのです。反対に「根となる地支」が1つも無い状態では、天干はフワフワと漂っているだけで安定した力量を持ちません。
甲乙木 の「根」になる地支
天干「甲・乙」は木行ですから、東方合や木局に関係する地支をピックアップします。
すると、寅・卯・辰・亥・未 の5つが「根となる地支」として挙げられます。
しかし、この候補に上げられた5つ全てが根になるわけではありません。
いつでも根になってくれて力量を増すことができる地支と
通常は根にならず「方合や会局」が成立している時だけ限定で根になる地支に分かれます。

卯・寅は「木の専旺支」です。
いつでも木の味方になってくれ裏切ることがない地支です。
(↑図でいつでも根が張れる地支とは太い実線で結ばれています)
「卯」は純度100%の木行(四正の支)ですから得られる力量も最強です。
また、午寅戌で火局が成立していたとしても、寅に対して甲乙は同時に根が張れます。(その場合の寅は 木の根と火の根に同時になることになります)
これに対して、辰、未、亥は 木の専旺支ではなく、方合や会局が成立している時だけ限定で根が張れる地支です。(↑の図で条件次第で根が張れる地支とは細い点線で結ばれています)
丙丁火 の「根」になる地支
天干「丙・丁」は火行ですから、南方合や火局に関係する地支をピックアップします。
すると、午・巳・未・寅・戌 の5つが「根となる地支」として挙げられます。
しかし、この候補に上げられた5つ全てに根が張れるわけではありません。
いつでも根になってくれて力量を増すことができる地支と
通常は根にならず「方合や会局」が成立している時だけ限定で根が張れる地支に分かれます。

午・巳は「火の専旺支」です。
いつでも火行の味方になってくれる地支ですから、必ず根を張ることが可能です。(↑の図でいつでも根が張れる地支とは太い実線で結ばれています)
「午」は純度100%の火行(四正の支)ですから、根を張ることによって得られる力量も最強です。
また、巳酉丑で金局が成立していたとしても、巳に対して丙丁は同時に根が張れます。(その場合の巳は 火の根と金の根に同時になることになります)
「未」もまた巳午に準じる「火土の専旺支」と考えて構いません。いつも火や土の味方になります。
これに対して、寅、戌は 火の専旺支ではなく、方合や会局が成立している時だけ限定で根が張れる地支です。(↑の図で条件次第で根が張れる地支とは細い点線で結ばれています)
庚辛金 の「根」になる地支
天干「庚・辛」は金行ですから、西方合や金局に関係する地支をピックアップします。
すると、酉・申・丑・戌・巳 の5つが「根となる地支」として挙げられます。
しかし、この候補に上げられた5つ全てに根が張れるわけではありません。
いつでも根になってくれて力量を増すことができる地支と
通常は根にならず「方合や会局」が成立している時だけ限定で根が張れる地支に分かれます。

酉・申は「金の専旺支」です。
いつでも金の味方になってくれる地支ですから、必ず根を張ることが可能です。(↑の図でいつでも根を張れる地支とは太い実線で結ばれています)
「酉」は純度100%の金行(四正の支)ですから、根を張ることによって得られる力量も最強です。
また、子申辰で水局が成立していたとしても、申に対して庚辛は同時に根が張れます。(その場合の申は 金の根と水の根に同時になることになります)
これに対して、丑、戌、巳は 金の専旺支ではなく、方合や会局が成立している時だけ限定で根を張れる地支です。(↑の図で条件次第で根が張れる地支とは細い点線で結ばれています)
特に巳の五行は火であり、火剋金の関係になるため、月支や大運支が酉であって、他にも庚辛申酉が重ねて命式に重々しているような時しか、金の味方にはなりにくい地支です。(金局が成立するためには、月支か大運支が酉であることが絶対条件です)
壬癸水 の「根」になる地支
天干「壬・癸」は水行ですから、北方合や水局に関係する地支をピックアップします。
すると、子・亥・丑・申・辰 の5つが「根となる地支」として挙げられます。
しかし、この候補に上げられた5つ全てに根が張れるわけではありません。
いつでも根になってくれて力量を増すことができる地支と
通常は根にならず「方合や会局」が成立している時だけ限定で根が張れる地支に分かれます。

子・亥は「水の専旺支」です。
いつでも水の味方になってくれる地支ですから、必ず根を張ることが可能です。(↑の図でいつでも根を張れる地支とは太い実線で結ばれています)
「子」は純度100%の水行(四正の支)ですから、根を張ることによって得られる力量も最強です。
また、卯亥未で木局が成立していたとしても、亥に対して壬癸は同時に根が張れます。(その場合の寅は 水の根と木の根に同時になることになります)
「丑」は月支や大運支の時だけは「水の味方」と見ることができます。その場合の「丑」は「冬という季節」を司っているからです。
(ただし力量としては子・亥よりはランクが落ちます。丑は「純粋な水」ではなく泥の混じった凍土や沼池だからです)
これに対して、月支や大運支ではない丑、申、辰は 水の専旺支ではなく、方合や会局が成立している時だけ限定で根が張れる地支です。(↑の図で条件次第で根が張れる地支とは細い点線で結ばれています)
このように月支(大運支)かどうかで「丑」の性質や扱いは大きく変わります。
戊己土 の「根」になる地支
天干「戊・己」は土行ですから、南方合に関係する地支と「土用の支」をピックアップします。
すると、午・巳・未・辰・戌・丑 の6つが「根となる地支」として挙げられます。
しかし、この候補に上げられた6つ全てにいつも根が張れるわけではありません。
いつでも根になってくれて力量を増すことができる地支と
通常は根にならず「方合や会局」が成立している時だけ限定で根が張れる地支に分かれます。

午・巳は「火と土の専旺支」です。
いつでも土行の味方になってくれる地支ですから、必ず根を張ることが可能です。(↑の図でいつでも根が張れる地支とは太い実線で結ばれています)
「午」は純度100%の土行(四正の支)ですから、根を張ることによって得られる力量も最強です。
「未」もまた巳午に準じる「土の専旺支」と考えて構いません。いつでも土の味方になります。
また、巳酉丑で金局が成立していたとしても、巳に対して戊己は同時に根が張れます。(その場合の寅は 土の根と金の根に同時になることになります)

これに対して、戌、辰、丑は 土の専旺支ではないため、命式内に他にも火や土が多い時だけ根が張れる地支です。(↑の図で条件次第で根が張れる地支とは細い点線で結ばれています)
午寅戌の火局していたり、他の地支に午巳未が多ければ、戊己土が戌にも根が張れます。

一方で、辰は水気が多い湿った柔らかい土であるため、命式内に午巳未・戊己・丙丁がよほど多くないと、なかなか土の味方にはなってくれません。辰は最も変化の幅が大きい雑気の支です。
「丑」については、冷たい凍土・湿土であるため、猛火の勢いを抑えて冷却する作用の方が強く、よほど午巳未・丙丁に多く囲まれていなければ、そう簡単には土を支える根とはなりません。
これら「戌辰丑」はいつでも土の味方になってくれる「信頼できる地支」ではありません。
大運の変化によっては裏切って他の五行の味方に寝返る可能性が高いものです。